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[第14話]シンボルの大きさ

日本に男性シンボルの大きさについて大規模な調査報告はない。専門書でも、その項には小さなスペースしかさかれていない。それには2つの理由がある。

大衆的には関心の高い数字かも知れないが、問題となる勃起時の大きさを調べることは、身長、体重、視力、血液検査などのように簡単には出来ないということ。

今ひとつは仮に精力的に調査しても、学問的には、人類の健康に奇与するようなデータが得られる可能性は少ないだろうということである。もし何らかの興味あるデータが出たとしても、

「だから、どうだっちゅうの」

という一言で、研究評価は終わり、後はせいぜい酒のつまみ話の域を出ない。

少ない報告書によれば、日本人の静止時のシンボルの長さは平均8センチ、勃起時の長さは平均16センチ、太さは平均11センチとされる。泌尿器科に長らく籍を置いていても、勃起時の陰茎を目の当たりにすることは少ないが、静止時のものは数え切れない。

自分のは小さいのではないかと心配して科を受診する男性は少なくないが、それが紙巻き煙草ほどお粗末ならば問題だが、本人がそんなに心配するほど貧弱なのはこの30年間、ひとりも診察したことがない。

知り合いの泌尿器科のN先生は、明らかに自分が平均値以下のサイズであるという自覚を持っていて、そんな患者が来ると、おもむろに患者と2人で診察室のカーテンの中に入り、本人の前でパンツを下げて、

「小さいと思うだろ、でもな、わしには子どももいるし、女房が文句を言ってもおらんよ、ちゃんと間に合っとるよ」

と話すのを定番にしていて、どんな説明よりも患者は納得して帰って行くそうである。

このやり方が、なにもそこまでせんでもと考えるのか、実にすばらしい、泌尿器科医の鏡だと評価するかは、仲間うちでも意見が分かれている。

その反対に位置するのがO先生。銭湯で例のまな板に足がついたような台に座り体を洗っていた時、近くの友人が、後方面から洗面器の少し熱めの湯をそっち方面に作為なく流した時

「あちぃー」

という大声がして、そっちを見たら石鹸のついた流れ行く湯が、ちょうど叫び声の下から、V字型に二筋に分かれて流れていくのが見えたという。

このエピソードを正しく理解するには、シンボル先端の温度に対する感受性は、足の裏など比較にならないくらい鋭敏であるという基礎知識が必要である。

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